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第32話  

「何がどうなってるの?」

 篠田初は混乱していた。

 白川悦子がいつも騒がしい性格だということは知っていたので、あまり気にしていなかった。

 「松山昌平とよ!」

 白川悦子が叫んだ。「初姉、もし松山昌平と寝たら、私はあなたを軽蔑するわ......」

 「昔はあなたたち二人のファンだったけど、そのクズがあなたに対してあまりにもひどかったよ。もう別れようとしてるなら、もう一度彼と寝るべきじゃない!」

 白川悦子がそんなに怒っているのは、親友が再び傷つくのを恐れているからだった。

 「誰が私が彼と寝たって言ったの?」

 篠田初は、白川悦子が昨晩のライブを見たに違いないと思い、照れくさそうに言った。「あれは演技で、私たちはキスだけしたのよ。その代わりに彼に一発ビンタもしたわ」

 そのキスについては損だとは思っていなかった。松山昌平にビンタをするのはとても爽快だったから!

 「あなた、彼にビンタしたんだ。素晴らしいわ、初姉!」

 白川悦子はすぐに言った。「でも、これはあなたが彼と寝る理由にはならないわ」

 「正直に言って、昨晩あなたたちは相前後して帰ったけど、もしかして彼は今あなたのベッドにいるの?」

 「話がどんどん逸れてるわ。そういう話禁止よ」

 篠田初は、松山昌平と一緒に帰った覚えが全くなかった。

 白川悦子が送ってきたニュースの画像を見て、篠田初は驚愕した。

 昨晩、松山昌平と彼女はまさかどちらも浅川居に帰ったとは思わなかった。彼らは同じ写真には収められていなかったものの、前後の時間差は十数分だった。

 浅川居は、彼女が現在住んでいる川景色が広がる豪華なマンションだった。白川景雄が選んだもので、彼女は誰にも住所を教えたことがなかった。プライバシーが非常に高かった。

 これから考えると、一つの可能性しかなかった。松山昌平が彼女をストーキングしていた!

 「最悪だわ!」

 篠田初は頭がゾクゾクするような気がした。彼女は白川悦子の電話を切り、直接松山昌平に電話をかけた。

 「君か?」

 松山昌平は驚いたような声で言った。

 篠田初はそんなにいい口調ではなく、頭からつま先まで怒りをぶつけた。

 「松山昌平、お前はいい加減しろよ!気持ち悪いし、変態だ。お前のような男は、いやらしい男と何も変わらない!」

 「私、篠田初は、こそこそする
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